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ガンバ大阪に関するコラム、ゲームレポート、戦術分析
by mateloss
2004年展望(2) 課題
03シーズンには、その"実力"が認められてか、良く研究されたゲーム戦術で臨まれたこともあり、速攻の芽を潰され守備組織を整えられた場合に攻めあぐむケースが数多く見られた。

これはガンバだけでなく、1,2を除き殆んどのクラブが同じ問題を抱えている.
それだけに、他のクラブに先駆け自分達の力で整備された守備組織を崩すことができるようになれば、常にTOP5をキープすることはもちろん、安定してタイトル争いに加わるクラブになれる、と考える.

この課題をクリアするために強化の対象として考えうるのは、"戦力"と"チーム戦術"の2箇所.

ガンバの場合、戦力の強化については、名古屋のようにレギュラーのほとんどを入替えるかのような補強を良しとしないため、現時点で在籍しているプレーヤー個々の能力の成長にかかっている.
チーム戦術については、西野監督が持ち込んだコンセプトやチーム戦術は既に完成に近い域にあり、補強に伴なうフォーメーションの変更はあるかもしれないが、強化する余地はあまり残っていないように思う.

従って、チーム戦術云々よりも、現時点で在籍しているプレーヤー個々の能力をどれだけ上積みできるか、にかかっていると言って良い.

特に注力すべきと考えるポイントは、パスのスピードと精度、パスの受け手のオフザボールの動き、の2点.
ダイレクトやワンタッチでスピーディーにパス回しをすることでマークをずらしたり、
相手のプレッシングの網にかからない、或いはすり抜けることができる.
そのためには、より一層のパスのスピードと精度が求められる.

また、パスの出し先の選択肢を複数つくれないと、昨年のようにポストプレーヤーが決め打ちされてしまう.
パスコースを複数作るには、ボールホルダー以外のプレーヤーの"オフザボールの動き"が重要.
僅か数メートルでもタイミング良くポジションをずらずだけで格段にパスはつながりやすくなり、フリーランニングを繰り返す事で相手の守備組織を混乱させることもできる.

強化する余地はあまり無いと考えるチーム戦術に関しても、「DFラインからの攻撃参加」と「サイドチェンジの使い方」の2つには、まだ発展の余地があると見ている.

前述した通り、早いパス回し等でマークをずらせるようになれば良いのだが、いかに若くノビシロが期待されるガンバでも、1年やそこらでテクニックや戦術眼が飛躍的に向上することは望めず、従って即効性の高い強化方法とは言えない.

では即効性の高い強化方法とは何かと探れば、そもそもマークがついていないプレーヤーを、適時に、前線に送り込むことが考えられる.
ガンバの場合、ボランチ以前の選手が全員相手陣内深くにポジショニングすることが多く、DFラインを除くプレーヤー全員に、タイトであれルーズであれ、特定のマークがつくことが予想される.
従って、相当なリスクを背負ってでも、"マークのついていない選手"="DFラインの選手"が攻撃参加することが必要になる、と考える.

また、03シーズンは、一方のサイドが詰まった場合にそのサイドでの突破に固執しがちで、逆サイドがワイドにポジショニングしていることを活かしきれていない感が強い.
サイドチェンジ、できれば高い位置での速いサイドチェンジ、を駆使することができれば、PA内にポジショニングするプレーヤーに対するマークをずらしたり、相手の中盤のプレーヤーを余計に疲れさせたり、ということができる.
新井場というサイド突破の"飛び道具"を失い、ほぼ間違いなく昨期並みの突破力を期待できない今期は、サイドチェンジを多用し過ぎる位に駆使しなければ、ウィングを配置する意味すら失いかねない.
# by mateloss | 2004-03-02 08:59 | Column


 
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